アメリカSF作家協会が選ぶネビュラ賞の候補作が発表されました。
http://www.sfwa.org/2011/02/2010-nebula-nominees/
Short Story
•‘‘Arvies’’, Adam-Troy Castro (Lightspeed Magazine 8/10)
•‘‘How Interesting: A Tiny Man’’, Harlan Ellison® (Realms of Fantasy 2/10)
•‘‘Ponies’’, Kij Johnson (Tor.com 1/17/10)
•‘‘I’m Alive, I Love You, I’ll See You in Reno’’, Vylar Kaftan (Lightspeed Magazine 6/10)
•‘‘The Green Book’’, Amal El-Mohtar (Apex Magazine 11/1/10)
•‘‘Ghosts of New York’’, Jennifer Pelland (Dark Faith)
•‘‘Conditional Love’’, Felicity Shoulders (Asimov’s Science Fiction Magazine 1/10)
Novelette
•‘‘Map of Seventeen’’, Christopher Barzak (The Beastly Bride)
•‘‘The Jaguar House, in Shadow’’, Aliette de Bodard Asimov’s Science Fiction Magazine 7/10)
•‘‘The Fortuitous Meeting of Gerard van Oost and Oludara’’, Christopher Kastensmidt (Realms of Fantasy 4/10)
•“Plus or Minus’’, James Patrick Kelly (Asimov’s Science Fiction Magazine 12/10)
•‘‘Pishaach’’, Shweta Narayan (The Beastly Bride)
•‘‘That Leviathan, Whom Thou Hast Made’’, Eric James Stone (Analog Science Fiction and Fact 9/10)
•‘‘Stone Wall Truth’’, Caroline M. Yoachim (Asimov’s Science Fiction Magazine 2/10)
Novella
•The Alchemist, Paolo Bacigalupi (Audible; Subterranean)
•‘‘Iron Shoes’’, J. Kathleen Cheney (Alembical 2)
•The Lifecycle of Software Objects, Ted Chiang (Subterranean)
•‘‘The Sultan of the Clouds’’, Geoffrey A. Landis (Asimov’s Science Fiction Magazine 9/10)
•‘‘Ghosts Doing the Orange Dance’’, Paul Park (The Magazine of Fantasy and Science Fiction 1-2/10)
•‘‘The Lady Who Plucked Red Flowers beneath the Queen’s Window’’, Rachel Swirsky (Subterranean Magazine Summer ’10)
Novel
•The Native Star, M.K. Hobson (Spectra)
•The Hundred Thousand Kingdoms, N.K. Jemisin (Orbit UK; Orbit US)
•Shades of Milk and Honey, Mary Robinette Kowal (Tor)
•Echo, Jack McDevitt (Ace)
•Who Fears Death, Nnedi Okorafor (DAW)
•Blackout/All Clear, Connie Willis (Spectra)
The Ray Bradbury Award for Outstanding Dramatic Presentation
•Despicable Me, Pierre Coffin & Chris Renaud (directors), Ken Daurio & Cinco Paul (screenplay), Sergio Pablos (story) (Illumination Entertainment)
•Doctor Who: ‘‘Vincent and the Doctor’’, Richard Curtis (writer), Jonny Campbell (director)
•How to Train Your Dragon, Dean DeBlois & Chris Sanders (directors), William Davies, Dean DeBlois, & Chris Sanders (screenplay) (DreamWorks Animation)
•Inception, Christopher Nolan (director), Christopher Nolan (screenplay) (Warner)
•Scott Pilgrim vs. the World, Edgar Wright (director), Michael Bacall & Edgar Wright (screenplay) (Universal)
•Toy Story 3, Lee Unkrich (director), Michael Arndt (screenplay), John Lasseter, Andrew Stanton, & Lee Unkrich (story) (Pixar/Disney)
Andre Norton Award for Young Adult Science Fiction and Fantasy
•Ship Breaker, Paolo Bacigalupi (Little, Brown)
•White Cat, Holly Black (McElderry)
•Mockingjay, Suzanne Collins (Scholastic Press; Scholastic UK)
•Hereville: How Mirka Got Her Sword, Barry Deutsch (Amulet)
•The Boy from Ilysies, Pearl North (Tor Teen)
•I Shall Wear Midnight, Terry Pratchett (Gollancz; Harper)
•A Conspiracy of Kings, Megan Whalen Turner (Greenwillow)
•Behemoth, Scott Westerfeld (Simon Pulse; Simon & Schuster UK)
個人的なお薦め作品がいくつも落ちているのは毎年のことなのですが、ヒューゴー賞と意識的に変えようとする姿勢はやはり衰えているようです。残念ながらハイカソルで翻訳された作品など日本勢は今年は見送られました。
2011年2月19日
Bordersと本屋さん考
Borders が経営破たんというニュースを聞いてちょっとショック。
日本の大手書店チェーンにとっても人ごとではないだろう。
店舗ありの書店というものは、もうすでに絶滅危惧種なのかもしれない。
と言いながら多少うしろめたい気分になるのは、私自身、本を買うのは圧倒的にネットが多いからだ。だいたい外出することが少ないから、本屋さんに行く回数が少ない。本屋さんに行っても、ゆっくり書棚を眺めて……なんて余裕のあるときはめったにないし。
だからひょっこり時間があいて、本屋さんでだらだら本選びをするときはたまらなく幸せ。本屋さんで本を探して買うことって、私の生活のなかでは「ぜいたく」のひとつなのかも。だってほんとうは、ネットで本を買うより、本屋さんで買うほうがずっと楽しい。本屋さんには、「本」を買いに行くんじゃなくて、「本に囲まれて本を選ぶレジャー」を買いにいくのね。
やっぱりなくなったら困る。週末は本屋さんにGO!だ。
余談だけど、都心から電車で1時間の郊外のニュータウンにある私の育った町では
数年前に、さいごの一軒だった本屋さんが閉店して、無本屋地帯になってしまった。
駅前にTSUTAYAはあるけど、私のなかでは本屋には分類されない。
TSUTAYAはレンタルビデオ(いまはDVDかブルーレイだけど)屋!
2011年1月18日
ディック記念賞
フィリップ・K・ディック記念賞の候補が発表されました。候補作には伊藤計劃『ハーモニー』の英訳も入っています。いかにもぴったりの賞なので、受賞するといいな、と思います。
YARN by Jon Armstrong (Night Shade Books)
CHILL by Elizabeth Bear (Ballantine Books/Spectra)
THE REAPERS ARE THE ANGELS by Alden Bell (Henry Holt & Co.)
SONG OF SCARABAEUS by Sara Creasy (Eos)
THE STRANGE AFFAIR OF SPRING HEELED JACK by Mark Hodder (Pyr)HARMONY by Project Itoh, translated by Alexander O. Smith (Haikasoru)STATE OF DECAY by James Knapp (Roc)
今年の審査員は以下の人たち。お知り合いの方は推薦してあげてください。
William Barton, Andy Duncan (chair), Bruce McAllister, Melinda Snodgrass, and David Walton
YARN by Jon Armstrong (Night Shade Books)
CHILL by Elizabeth Bear (Ballantine Books/Spectra)
THE REAPERS ARE THE ANGELS by Alden Bell (Henry Holt & Co.)
SONG OF SCARABAEUS by Sara Creasy (Eos)
THE STRANGE AFFAIR OF SPRING HEELED JACK by Mark Hodder (Pyr)HARMONY by Project Itoh, translated by Alexander O. Smith (Haikasoru)STATE OF DECAY by James Knapp (Roc)
今年の審査員は以下の人たち。お知り合いの方は推薦してあげてください。
William Barton, Andy Duncan (chair), Bruce McAllister, Melinda Snodgrass, and David Walton
2010年12月10日
キンドルはたしかにありがたい物だけど
Amazonのキンドルを買って約一年が過ぎました。
一年くらい使ってみて、(現時点での)感想などを少し書きます。
使用頻度はそれほどでもないので、まだきれいです。
じつはあまり使いこなせていないのかもしれない。
それなのに新しいキンドルが発売になって、いいなあ、欲しいなあと思っています。
新しいキンドルはフォルダ整理ができるのが魅力ですね。
日本語表示もできるらしいし。
いま円高だし、チャンスなんですが……さすがに思い切れません。
自分のキンドルの使い方は、やはり紙を補完するような使い方になっています。
約一年間にキンドルで購入した本は、約10冊。われながら少ない。
紙の本とキンドル、おなじ条件なら紙の本を選んでいるからです。
つまり私はキンドルの消極的ユーザーということになるのでしょう。
キンドルで購入した10冊にかんして、なぜキンドルで買ったかというと、
「とにかくすぐに読みたかったから」--これに尽きます。
「すぐに読みたい」というときは、だいたい必要にせまられているから、
キンドルのありがたみはおおいに実感しています。
でも、ほんとうに気に入った本は、キンドルで読んだあとに紙の本も買って
しまうことが多いです。やっぱり本を手にしたくなって。
冷静に考えれば、本代二倍かかっているじゃん……(汗)。
もうひとつキンドルのありがたみをしみじみ感じるのは、
自分のファイルをAmazonにキンドル用にコンバートしてもらって保存し、
持ち歩けることですね。
そのおかげで、日頃持ち歩くバッグが小さく軽くなりました!
でも家では紙に印刷されたものを読みたくなります、やっぱり。
それに、これは当たり前といえば当たり前なのかもしれませんが――
「自分は紙の本の手ざわりとか匂いが好きだったんだ」と確認できたのは、
キンドルのおかげですね。
一年くらい使ってみて、(現時点での)感想などを少し書きます。
使用頻度はそれほどでもないので、まだきれいです。
じつはあまり使いこなせていないのかもしれない。
それなのに新しいキンドルが発売になって、いいなあ、欲しいなあと思っています。
新しいキンドルはフォルダ整理ができるのが魅力ですね。
日本語表示もできるらしいし。
いま円高だし、チャンスなんですが……さすがに思い切れません。
自分のキンドルの使い方は、やはり紙を補完するような使い方になっています。
約一年間にキンドルで購入した本は、約10冊。われながら少ない。
紙の本とキンドル、おなじ条件なら紙の本を選んでいるからです。
つまり私はキンドルの消極的ユーザーということになるのでしょう。
キンドルで購入した10冊にかんして、なぜキンドルで買ったかというと、
「とにかくすぐに読みたかったから」--これに尽きます。
「すぐに読みたい」というときは、だいたい必要にせまられているから、
キンドルのありがたみはおおいに実感しています。
でも、ほんとうに気に入った本は、キンドルで読んだあとに紙の本も買って
しまうことが多いです。やっぱり本を手にしたくなって。
冷静に考えれば、本代二倍かかっているじゃん……(汗)。
もうひとつキンドルのありがたみをしみじみ感じるのは、
自分のファイルをAmazonにキンドル用にコンバートしてもらって保存し、
持ち歩けることですね。
そのおかげで、日頃持ち歩くバッグが小さく軽くなりました!
でも家では紙に印刷されたものを読みたくなります、やっぱり。
それに、これは当たり前といえば当たり前なのかもしれませんが――
「自分は紙の本の手ざわりとか匂いが好きだったんだ」と確認できたのは、
キンドルのおかげですね。
2010年10月30日
ウサギどんキツネどん
岩波少年文庫の『ウサギどんキツネどん』(J.C.ハリス作、八波直則訳)を読みました。このお話は子供時代に読んだきりでしたが、最近急にまた読んでみたくなって探していたら、ちょうど今月復刊されて、うれしい限りです。私がかつて読んだのは岩波少年文庫版ではなかったのですが、この岩波少年文庫のほうは第一刷が1953年とのこと。
知恵の働くウサギどんと、そんなウサギどんを捕らえようとして失敗するキツネどんを中心とする動物たち(人間の友達もいます)のお話です。ウサギどんは、頭の良さで肉食動物に負けないのですが、別に善良なわけではなくて、罪のない者をひどいめにあわせたりと結構ひどいこともします。子供のころ読んだほかの本では、善良な者が勝って悪い者が負ける話のほうが多かったこともあり、当時この作品には特異な印象を受けました。今回、読み返してみたら、物語の聞き手である男の子も、やっぱりそういう展開に納得していないのです。そこを、語り手である黒人のリーマスじいやが世の不条理として説いてくれるところにうならされます。
原文はリーマスじいやのなまりが強くてちょっと読みにくいところがありますが、訳文は読みやすくなっています。
子供のときに読んだ作品を大人になって読み返すのは楽しいものですね。
知恵の働くウサギどんと、そんなウサギどんを捕らえようとして失敗するキツネどんを中心とする動物たち(人間の友達もいます)のお話です。ウサギどんは、頭の良さで肉食動物に負けないのですが、別に善良なわけではなくて、罪のない者をひどいめにあわせたりと結構ひどいこともします。子供のころ読んだほかの本では、善良な者が勝って悪い者が負ける話のほうが多かったこともあり、当時この作品には特異な印象を受けました。今回、読み返してみたら、物語の聞き手である男の子も、やっぱりそういう展開に納得していないのです。そこを、語り手である黒人のリーマスじいやが世の不条理として説いてくれるところにうならされます。
原文はリーマスじいやのなまりが強くてちょっと読みにくいところがありますが、訳文は読みやすくなっています。
子供のときに読んだ作品を大人になって読み返すのは楽しいものですね。
2010年8月20日
レイ・ブラッドベリ
この22日で90歳の誕生日を迎えるレイ・ブラッドベリですが、地元LAではブラッドベリ・ウィークとして大イヴェントを展開中で、全米でもかなりな盛りあがり。ラジオでもひっぱりだこのようでいくつかはネット放送で聞くことができます。
なかでもおもしろかったのが、ファンが作ったというこの曲。“Fxxk Me Ray Bradbur"というタイトルも衝撃なのですが、いまどきの若い子のライフスタイルがうかがえるのも興味深い。デートに行こう、映画にする、食事にする? と男の子にいわれて、うちで本を読みましょう、レイ・ブラッドベリって知ってる? という女の子の話。中身もかなりきわどい。『何かが道をやってくる』の「何か」って、不気味なものではなく、Hなものだったのですね。
ユーチューブではワールドカップねたのこれも笑いました。
こうした映像を見ていると、iPadなどを利用したvookとかexpanded editionとか呼ばれるハイパーテクスト小説が出てくるのもよくわかります。
ともかく、おめでとう、ブラッドベリさん。
なかでもおもしろかったのが、ファンが作ったというこの曲。“Fxxk Me Ray Bradbur"というタイトルも衝撃なのですが、いまどきの若い子のライフスタイルがうかがえるのも興味深い。デートに行こう、映画にする、食事にする? と男の子にいわれて、うちで本を読みましょう、レイ・ブラッドベリって知ってる? という女の子の話。中身もかなりきわどい。『何かが道をやってくる』の「何か」って、不気味なものではなく、Hなものだったのですね。
ユーチューブではワールドカップねたのこれも笑いました。
こうした映像を見ていると、iPadなどを利用したvookとかexpanded editionとか呼ばれるハイパーテクスト小説が出てくるのもよくわかります。
ともかく、おめでとう、ブラッドベリさん。
2010年5月16日
ネビュラ賞
今年のネビュラ賞が発表されました。結果は次の通り。
長篇
The Windup Girl – Paolo Bacigalupi (Night Shade Books, Sept. 2009)
ノヴェラ
The Women of Nell Gwynne’s – Kage Baker (Subterranean Press, June 2009)
ノヴェレット
“Sinner, Baker, Fabulist, Priest; Red Mask, Black Mask, Gentleman, Beast,”
Eugie Foster (Interzone, Feb. 2009)
短篇
“Spar,” Kij Johnson (Clarkesworld, Oct. 2009)
レイ・ブラッドベリ賞
District 9, Neill Blomkamp and Terri Tatchell (Tri-Star, Aug. 2009)
アンドレ・ノートン賞
The Girl Who Circumnavigated Fairyland in a Ship of Her Own Making,
Catherynne M. Valente (Catherynne M. Valente, June 2009)
バチガルピの受賞は予想通り、ベイカーは追悼のニュアンスが強かったのでしょう。『第9地区』も前評判通り。おもしろいのは、ウェブ作品がノヴェラ、短篇、ノートン賞とほぼ半分を占めているところ。ヴァレンテは訳したい作家で、スプロール・フィクション特集でとりあげようと思っていた人です。でも、こうしてみると、インターネットで共時性が高まったとはいえ、まだまだリアルタイムで翻訳が紹介される時代にはなっていないことがわかります。ぼくたちががんばらないと。
長篇
The Windup Girl – Paolo Bacigalupi (Night Shade Books, Sept. 2009)
ノヴェラ
The Women of Nell Gwynne’s – Kage Baker (Subterranean Press, June 2009)
ノヴェレット
“Sinner, Baker, Fabulist, Priest; Red Mask, Black Mask, Gentleman, Beast,”
Eugie Foster (Interzone, Feb. 2009)
短篇
“Spar,” Kij Johnson (Clarkesworld, Oct. 2009)
レイ・ブラッドベリ賞
District 9, Neill Blomkamp and Terri Tatchell (Tri-Star, Aug. 2009)
アンドレ・ノートン賞
The Girl Who Circumnavigated Fairyland in a Ship of Her Own Making,
Catherynne M. Valente (Catherynne M. Valente, June 2009)
バチガルピの受賞は予想通り、ベイカーは追悼のニュアンスが強かったのでしょう。『第9地区』も前評判通り。おもしろいのは、ウェブ作品がノヴェラ、短篇、ノートン賞とほぼ半分を占めているところ。ヴァレンテは訳したい作家で、スプロール・フィクション特集でとりあげようと思っていた人です。でも、こうしてみると、インターネットで共時性が高まったとはいえ、まだまだリアルタイムで翻訳が紹介される時代にはなっていないことがわかります。ぼくたちががんばらないと。
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