Amazonのキンドルを買って約一年が過ぎました。
一年くらい使ってみて、(現時点での)感想などを少し書きます。
使用頻度はそれほどでもないので、まだきれいです。
じつはあまり使いこなせていないのかもしれない。
それなのに新しいキンドルが発売になって、いいなあ、欲しいなあと思っています。
新しいキンドルはフォルダ整理ができるのが魅力ですね。
日本語表示もできるらしいし。
いま円高だし、チャンスなんですが……さすがに思い切れません。
自分のキンドルの使い方は、やはり紙を補完するような使い方になっています。
約一年間にキンドルで購入した本は、約10冊。われながら少ない。
紙の本とキンドル、おなじ条件なら紙の本を選んでいるからです。
つまり私はキンドルの消極的ユーザーということになるのでしょう。
キンドルで購入した10冊にかんして、なぜキンドルで買ったかというと、
「とにかくすぐに読みたかったから」--これに尽きます。
「すぐに読みたい」というときは、だいたい必要にせまられているから、
キンドルのありがたみはおおいに実感しています。
でも、ほんとうに気に入った本は、キンドルで読んだあとに紙の本も買って
しまうことが多いです。やっぱり本を手にしたくなって。
冷静に考えれば、本代二倍かかっているじゃん……(汗)。
もうひとつキンドルのありがたみをしみじみ感じるのは、
自分のファイルをAmazonにキンドル用にコンバートしてもらって保存し、
持ち歩けることですね。
そのおかげで、日頃持ち歩くバッグが小さく軽くなりました!
でも家では紙に印刷されたものを読みたくなります、やっぱり。
それに、これは当たり前といえば当たり前なのかもしれませんが――
「自分は紙の本の手ざわりとか匂いが好きだったんだ」と確認できたのは、
キンドルのおかげですね。
ぼくも去年の10月に買ってほぼ一年ですが、やはりもう手放せないアイテムになっています。
返信削除夏にヴァージョンアップになっているのですが、お気づきですか。買ったアイテムの整理ができるようになっているので、お試しになってみることをお勧めします。フォルダーではなく、kindleではcollectionという棚に整理するのですが、整理したいアイテムのところで5wayを右にクリックし、add to collectionを選択、ここで新しいcollectionの名前をつけるのですが、気をつけないといけないのは、なるべく細かく整理すること。ぼくはジャンルごとの長篇、短篇、ノンフィクション、短篇集、アンソロジー、雑誌といった整理をしているのですが、SF短篇などは100本以上のアイテムが入っていて整理できていないのと同じです。ジャンルごとに作家A-Eなどといった分類をするほうがよかったと思っています。もういまとなっては整理し直す気力はないのですが。気力がおきない原因は、やはりキーボードの小ささで、タッチペンがないと操作は不便です。ともかくこうして書棚代わりのcollectionを作っておけば、あとはダウンロードしたアイテムをほうりこんでいくだけ。便利です。
一年あまりで買った本は120本ぐらい。うちamazonで買った本が110近く、残りはsmashwordsやweightlessなどの電子書籍専門書店です。日本語フォントを入れることも可能ですが、これ以上整理しきれないアイテムを増やしたくないので、入れていません。もっとも実際にkindleで読んだ長篇は10冊あまりなので、相変わらずの積ん読癖は改善されていません。紙の本でしか変えない本もあるので、それも一年で70冊ほど買っていますから、単純にkindleで買っている分がふだんより増えている感じです。
最大の弱点は衝動買いがとまらないこと。ふつうならちょっと購入をためらって、ペーパーバックが出るまで待ったあげく見送るような本が最初からペーパーバック価格なのでよく考えずに買ってしまうためです。これは昔よく、ハードカバーで出たままペーパーバックで出なかった本があったため、買えるうちに買ってしまおうという習癖ができているためもありますが、やはり電子ブックをめぐる出版社とamazonの争いのせいで、入手できるうちに入手しておかないとという強迫観念があるせいでしょう。余分に買って積ん読状態になっている本はおもに文学系、ホラー系、歴史小説系、あと趣味のロックやアメリカ南部の本ですね。これは衝動買いがおさまらない。
もっとも電子ブックのよいところはそうした乱読型の読者に便利なことです。リーダーとはいいますが、ぼくの感じではkindleは携帯可能な本棚という感じ。本棚を持ち歩きたい読者向けのアイテムで、ふだんあまり本を読まない人がこれを買って読書家になるという幻想はもたないほうがよいでしょう。
困ったのはkindleになれてしまったせいで、ふだんのパソコン液晶画面を長時間見つめる気力がなくなったこと。だから、iPadやNookcolorなどには何の魅力も感じません。やはり見開きページを読む紙の本よりは速度が落ちる感じは否めませんが、ふつうに読書する分にはまったく違和感はありません。むしろ厚い本だと途中で投げ出す傾向が強まっていたことを考えれば、紙の本より読みやすい側面も強くあります。
あと重宝しているのがMP3プレイヤー。iPod などをもっていないので、外出時にはこれでじゅうぶん。おかげで音楽ダウンロードもするようになってしまいました。ということは、kindleは金食い虫なのかも。amazonのターゲットどおりの消費者になっているのかもしれません。ただamazonのMP3アイテムはほぼすべて、テリトリー問題がクリアできずに、購入できないのですが。
圧倒的に助かっているのが、書評や記事などウェブの画面で読んだりプリントアウトしたりする必要がなくなったこと。ほとんどのウェブ上にある文章はテキストやpdfの形でkindleにダウンロードして読んでいます。pdfの操作性はあまり向上していないのが残念ですし、テキストファイルでは記号などが文字化けするなどの弱点がありますが、長篇を変換するわけではないので、あまり深刻な問題にはなりません。書評は読めば消すようにしていますが、常時70アイテムぐらいがたまっています。これは積ん読本が多いことと関係がありそうですね。
コミックスは正直いって、この画面で読む気はしません。やっぱりアメコミは文字量が多いのに字が小さいからかなあ。
amazonに望みたいのははやくフレキシブル・スクリーンのkindleをリリースしてほしいこと。ごろ寝しながら読むのにハードカバーより軽くて読みやすいし、つい居眠りしても読みさしページがわからなくなることがないのはよいのですが、堅さと重さのせいで、取り落とすことがよくあるのです。もう少し手になじむ感じがほしいところ。またデュアル・スクリーンも開発しているということですが、これも見てみたいな。任天堂のDSを参考にしているようなのですが、やはり愛書家は見開きページを見慣れていると思うのです。ただ、現状で開発しているのはタッチパネルの液晶画面らしいので(片方のスクリーンをキーボードに使えるように、ということらしいです)、それなら買わないかも。液晶アレルギーが強まってしまったので。
ともかくkindleを使っていて強く感じるのは、未来がもうやってきたのだということ。ケータイを使っていてはあまり感じたことはないのですが、本を読むという、ぼくにとってはかなり根源的なことが変わってしまったことはすごく大きい。未来がまた楽しくなってきた感じです。
小川