2010年5月16日

ネビュラ賞

今年のネビュラ賞が発表されました。結果は次の通り。
長篇
The Windup Girl – Paolo Bacigalupi (Night Shade Books, Sept. 2009)

ノヴェラ
The Women of Nell Gwynne’s – Kage Baker (Subterranean Press, June 2009)

ノヴェレット
“Sinner, Baker, Fabulist, Priest; Red Mask, Black Mask, Gentleman, Beast,”
Eugie Foster (Interzone, Feb. 2009)

短篇
“Spar,” Kij Johnson (Clarkesworld, Oct. 2009)

レイ・ブラッドベリ賞
District 9, Neill Blomkamp and Terri Tatchell (Tri-Star, Aug. 2009)

アンドレ・ノートン賞
The Girl Who Circumnavigated Fairyland in a Ship of Her Own Making,
Catherynne M. Valente (Catherynne M. Valente, June 2009)

バチガルピの受賞は予想通り、ベイカーは追悼のニュアンスが強かったのでしょう。『第9地区』も前評判通り。おもしろいのは、ウェブ作品がノヴェラ、短篇、ノートン賞とほぼ半分を占めているところ。ヴァレンテは訳したい作家で、スプロール・フィクション特集でとりあげようと思っていた人です。でも、こうしてみると、インターネットで共時性が高まったとはいえ、まだまだリアルタイムで翻訳が紹介される時代にはなっていないことがわかります。ぼくたちががんばらないと。

2010年5月8日

Kindle 2.5

キンドルの新しいヴァージョンが月末に発表されるそうです。新しいところは以下のとおり。
1 フォルダーが作れる
キンドルに入っている蔵書をコレクションとして名前をつけて別フォルダに整理できます。これはいままでほしかった機能。便利そうです。
2 隠せる
人に見られたくない本を隠せます。キンドル自体にパスワード設定をして鍵をかけてしまうこともできます。これで、これまで本を貸し借りするように電子ブックを貸し借りできないといった不満を解消するということでしょうか。キンドルを安心して友人に貸せるということですね。本来の目的は、紛失したときに他人が勝手にアカウントを解除して作り替え、自分のものにしてしまうのを防ぐためとか。本好きってそんなにいるかな。うーん、使う機能かどうかわからない。
3 フェースブックとツイッターが使える
ちょっとしたおもしろいフレーズが見つかったとき、友人に紹介したくなりますよね。今回はそれができるというもの。これは使いそう。もちろん、ちゃちなキーボードでがまんすれば書き込みもできます。
4 フォントがさらに増える
これまでできなかったpdfファイルのフォントサイズを変えられるようになります。また、キンドル・ファイルのフォントサイズもさらに大きなものが入るようです。これは便利。これまではpdfやテキストファイルを取り込んで使っていたのですが、テキストではどうしても文字化けが起きます。pdfの使い勝手がよくなるならこれはよさそう。これも、ずっと不満だった点です。
iPad攻勢にやや劣勢のキンドルですが、小説を何十冊も読む読書家にはキンドルのほうが便利、という特徴をアピールするために、いろいろがんばっているようです。
詳しくは
http://arstechnica.com/gadgets/news/2010/05/hands-on-kindle-25-firmware-a-cornucopia-of-features.ars