ルイス・ノーダン追悼特集に短篇「シュガーとフリークたち」を追加しました。
タイトルから連想されるように、障害をもつ人たちと成人したシュガーとの交流を描いた作品ですが、人間はみなフリークであり、お互いに肯定して生きていけるのだというテーマなので、あえてネガティブな背景をもつ用語もまじえて訳しました。たぶん南部作家のノーダンとしては、何もかもきれいごとで済ませようとするヤンキー知識人とは大いに相容れないものを感じていたのでしょうし、まだまだ若かったということでもあるのでしょう。生涯をつうじて彼をサポートした編集者シャノン・ラヴネルが初めてバディと出会った作品でもあり、こだわりをもっていた短篇です。文学的にいえばアレゴリーでしかない透明人間というくだりも、SFファンのぼくにはすごくよくわかるギークな感覚でした。
初出は〈ハーパーズ〉1982年6月号です。いまでも小説を掲載している数少ないカルチャー・マガジンです。
なんとか4月13日のご命日までに間に合わせようと思ったのですが、仕事の都合や家庭の事情、個人的な怪我などいろいろあって遅れてしまいました。残念です。あらためて、すてきな世界を見せつづけてくれたバディに感謝するとともに、ご冥福を祈りたいと思います。この特集に興味をもって読んでいただいている読者の方にも感謝します。
小川隆
一読して好きになりました。ちりばめられたイメージ喚起力あふれる単語の川を流れに乗ってうっとりと下っているうちに海に出てしまって、その海の広さと深さにまたびっくり、という感じですか? どう表現したらいいのかわかりませんが、作者の人間愛を感じました。作者の他の作品も読んでみたくなりました。いつも興味深いお話をアップしていただいてありがとうございます。お怪我大丈夫ですか? お体に気をつけて、これからも興味深い特集をよろしくお願いいたします。
返信削除ありがとうございます。今年もまた二つほど特集を予定しています。
返信削除なかなか思うように作品の紹介が進まないのですが、読者の方に支えられて少しずつ小説の喜びを広げていけたらと思っています。これからもよろしくお願いします。