2009年9月6日

アフリカを救え

先週、京都の地球環境研究所で催されたシンポジウムに参加してきた。興味深い話もたくさんあって、やはり学者さんはおもしろい。忘れないうちにいくつか印象に残ったことを書き残しておこう。
おもしろかったのは、国立科学博物館の人類学者篠田博士の話だ。博士は日清カップヌードルのコマーシャル、Dreamシリーズを監修されている方で、アフリカ起源の人類がいかにして世界に拡散していったかを、ミトコンドリアDNA解析をもとに講義してくれた。SFファンとしておもしろかったのは、その人類大移動の動機が、もちろん、夢などではなく、何らかのトラブル、さらには移動を可能とするテクノロジーや気象変動などにあったという話だ。この話はおもしろかったので、次回に詳しく書くつもりだけれど、結論としては、人類がいまやらなければならないことは、われわれ共通の父祖の地であるアフリカを救うことだという。アメリカではオバマ大統領の就任でアフリカ系アメリカ人にまつわる出版物がブームになっているが、大半は公民権運動にまつわるものだ。SFの世界では70年代にマイクル・ビショップの人類学SFが流行したことはあったけれど、マイク・レズニックの『キリンヤガ』シリーズ以外、アフリカをテーマにした話はあまり書かれたことがないように記憶している。アフリカを救う話……読んでみたいものだ。

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