2012年9月22日

ワールドSF特集のお知らせ

ワールドSF特集をはじめました。ただ世界の各国SFの紹介を意図しているわけではありません。インターネット時代になって、はじめて世界のSFシーンがつながろうとしているように思います。サイバーパンクのときも世界的に影響は伝わりましたが、そうした英米シーンの伝播という形ではなく、むしろ非英米圏から世界に向けてSFを発表し、交流しようという動きが高まっているのです。そうしたシーンを小説、エッセー、アンケートなどさまざまな形でご紹介していこうと思っています。 まずはアンケートからです。お楽しみいただければ幸いです。 小川隆

3 件のコメント:

  1. 中国は入らないのかな? 『三体』シリーズとか面白いと思うんだけど。

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  2. すみません。ばたばたしていて掲載もお返事も遅れてしまっています。とりあえず、今回はアジアの作品は見送ります。フォローしきれていないので。いま英語で書いたり、英訳されたりがさかんなのはフィリピンですが、ぴんとくるものにまだあたっていません。シンガポールもこのところいろいろ出てきていますね。インドは当初予定していたのですが、交渉がうまく進まなかったので、見送りました。韓国系アメリカ人もおもしろい作家がいますが、ちょっと今回の趣旨とは違うので、はずしています。ここではあくまで問題提起なので、全貌をお伝えできるとは思っていません。ただ、各国シーンを紹介するのではなく、国籍を超えて世界に向けて発信している作家の動きをご紹介するのが今回の趣旨です。国籍にこだわったバランスを考えてはいません。
    各国シーンを紹介することにあまり意味を感じられない理由はいろいろあるのですが、おもな理由は、それは各国の役目だと思うからです。当然日本SFの紹介には関心をもっています。
    またいろいろなご意見をおよせください。今回は貴重なご意見をありがとうございました。
    小川

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    1. 返信ありがとうございます。個人的に中国SFを研究しているので自分の趣味を押し付けたみたいで申し訳ありませんでした。劉慈欣(リュウ・ツーシン)の「三体」シリーズは近くケン・リュウ他の翻訳で英語版が出るので興味があったら読んでみてください。中華圏で大ベストセラーとなっているハードSFです。ケン・リュウといえば中国では早くから注目されて翻訳が雑誌に掲載され、短編集「愛的算法」も出ています。僕は英語はダメですが中国語はOKなのでこちらで読みました。「愛の計算法」「手の中の紙、心の中の愛」(すみません英題わかりません)がよかったです。邦訳が望まれます。ソウヤーのキンタグリオ物も中国では全巻翻訳されており中国語版で読みました。邦訳はもう絶望でしょうか? 「ねじまき少女」の中国語版にはバチガルビが中国語で序文を寄せたりもしています。インドSFは雑誌「科幻世界」に掲載された2008年インドSFコンテスト一等賞の「アイスクの選択」を読みました。けっこう面白かったです。中国のSF雑誌「科幻世界」「新科幻」は時折インドSFも掲載しており、この方面では日本より進んでいるかもしれません。日本SFでは「日本沈没」「廃園天使」「神狩」「太陽簒奪者」「異星人(異星の人)」「寄生前夜(パラサイト・イブ)」「梭鏡(プリズム)』等の単行本が出ており、上記の雑誌でも頻繁に短編が紹介されています。今中国のSFシーンは若い熱気にあふれています。英語や日本語で読める作品は少ないですが、機会があったらぜひ読んでみてくださいね!

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