10月末ぐらいから、続々とアワード系の発表が続いていますね。
11月2日にはWorld Fantasy Awardが発表されました。
各賞の候補者と受賞者はサイトを見ていただくとして、長編・中編・短編の受賞者だけ抜き出しておきます。
Novel【長編】部門
winner The Shadow Year, Jeffrey Ford (Morrow)
winner Tender Morsels, Margo Lanagan (Allen & Unwin; Knopf)
Novella【中編】部門
winner "If Angels Fight", Richard Bowes (F&SF 2/08)
Short Story【短編】部門
winner "26 Monkeys, Also the Abyss", Kij Johnson (Asimov's 7/08)
長編部門で受賞したジェフリー・フォードは、『白い果実』でも受賞してますね。
(実は26to50サイト開設時にお祝いのメールを送ってくださってるのです。
光栄の至り。…あれ、ひょっとして受賞インタビューなんかもお願いしたら引き受けてくださっちゃったりするのでしょうか?)
さっそく読んでみたいと思います。
しかし、受賞作についてのPublisher's Weeklyの評を読むと、あまりの言われようなので笑ってしまいました。
同じく長編部門受賞のマーゴ・ラナガンは、日本では『ブラックジュース』が河出から出ていますね。 受賞作『Tender Morsels』はハイティーン向けらしいのですが、あらすじやAmazonに入っているコメントなどを読むと、大人が読んでもそこそこパンチがきつい作品なのではという気が。。
でもたぶん自分好みなのでこれもカートに追加。
中編部門受賞のリチャード・ボウズは、今年6月の「SFマガジン」でも短編「都市に空いた穴」(There’s a Hole in the City)が紹介されているので、作風が気になるという方はそちらからチェックされてもいいと思います。
短編部門受賞のキジ・ジョンスンも、「SFマガジン」2008年12月号で短編「<変化(チェンジ)>後の北公園犬集団におけるトリックスター伝承の発展」(The Evolution of Trickster Stories Among the Dogs of North Park After the Change)が紹介されてるみたいですね! これはタイトルだけで釣られてしまう。
この人のデビュー作は日本のおとぎ話をベースにした化かす狐の話、ファンタジー第二作目はやはり日本の平安時代を舞台とし、猫が出てくるようです。
人間と動物の境界を行き来するのが得意なのでしょうか。
…というくだらない推測をしていてもしょうがないので、読みたいなあ、雑誌を取り寄せないといけないのかなあ、と思ったら、本家"Asimov's"サイトでアップされていました。えらい!
"26 Monkeys, Also the Abyss"
(Podcastまでアップされていますね。ダウンロードしてみよう)
ちなみに、26to50の英語サイトでアンケート回答を掲載させていただいているジョン・ケッセルも、惜しくも受賞を逃してしまいましたが、短編部門にノミネートされていました。
アンケートでは、いま取り組んでいるプロジェクトについても回答していただいているので、 是非チェックしてみてください。
わたしもキジ・ジョンスンの既訳タイトルに惹かれたので、
返信削除"26 Monkeys, Also the Abyss"をさっそく読んでみました。
おもしろい!
好き!
当サイトで掲載できればいいのですが……難しいかしらん。
昨年12月号のSFマガジンで短編が紹介されたとのことなので、
これもそのうちSFマガジンで読めるかもしれませんね。
ともあれ、詳細な情報、感謝です!
石原さんが前に短篇をSFマガジンで訳していたエカテリーナ・セディアが編集したPaper Citiesがアンソロジー部門で受賞しましたね。キングの作品も収められているジョン・ジョゼフ・アダムズのホラー・アンソロジーに勝ったのだからすごい。キャサリン・M・ヴァレンテのPalimpsestの原型となった短篇も入っていたりして、なかなかおもしろいアンソロジーだったので、さすが見る人は見ているのですね。感心しました。今年はこの部門がいちばん興味深い激戦区でした。
返信削除小川